経済産業省原子力安全・保安院は28日、東日本大震災で事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所について、運転開始から30年以上経過した1~3号機の老朽化(高経年化)が「耐震性能に影響したとは考えにくい」とする評価結果を、専門家による意見聴取会で報告した。 保安院は各号機について原子炉内の主要な構造物や配管を選び、運転開始から60年後の金属疲労や腐食の進み具合を考慮して、東日本大震災の揺れなどの影響を分析した。意見聴取会の専門家からは「過去に機器を点検した時期を教えてほしい」などの意見が出たため、保安院は年明けに最終的な結論を示す。 福島第一原発事故をめぐり、専門家や国内の原発立地自治体から「老朽化が事故を拡大させたのではないか」との懸念から、運転継続や再稼働を不安視する声が上がっていた。