通勤用途など安定客に支えられ、景気変動に左右されにくいディフェンシブ銘柄のはずだったJR東日本が未曽有の事態に直面している。売上高の増減でコストが変動しないという特殊な収益構造を持つ鉄道事業の弱点が露呈しているためだ。実はこの構造は合理化余地が乏しく、売上高が減った分だけ利益が減る。平常時なら影響はないが、新型コロナウイルスまん延で利用客がかつてない水準に落ち込み、業績へのインパクトが増大してい
鉄道ファンの筆者が“2015年最後のビッグイベント”として注目していたことがあった。11月30日。東日本旅客鉄道(JR東日本)山手線の新型電車「E235系」(写真1)の営業運転開始である。 E235系は山手線の現行車両で2002年から導入された「E231系」を置き換える計画で開発された新型車両だ。山手線では13年ぶりの新型車両投入になる。 デザインは奥山清行氏が監修した。伊フェラーリのスポーツカーなどを手掛けた世界的工業デザイナーで、鉄道車両では北陸新幹線「E7/W7系」なども手掛けた人物だ。従来の通勤電車にはない斬新な内装が特徴(写真2)。「中吊り広告」を液晶ディスプレイに置き換えることで、広々とした車内空間になっている(写真3、関連記事:JR東日本が新型E235系電車発表、山手線トレインネットと電子広告を標準搭載)。
鉄道をダメにしてきた原因は何ですか? 阿部:鉄道のイノベーションを妨げているものが何なのかが、『満員電車がなくなる日』で最も言いたかったことです。 満員電車の歴史を振り返りました。満員電車の歴史は、実は運賃抑制の歴史でした。140年前の鉄道開業以来、常に「鉄道の運賃は安くせよ」という社会的プレッシャーに負け続け、結果的に技術開発や設備投資をする資金を確保できなかったのです。 今も同じ状況です。やろうと思えばできることができないのは、早い話、お金が回らないからです。技術的にはできることができない、心ある多くの人が無念の思いを抱いてきた140年間の鉄道の歴史のシンボルが、言ってみれば満員電車なんです。 モータリゼーションのせいではない 国家のインフラは広くあまねく安く、というユニバーサルサービスの思想でしょうか? 阿部:と言うより、むしろポピュリズム(大衆迎合主義)です。国鉄もそうだったし、J
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く