【ソウル=黒田勝弘】日本の新幹線などに対抗し海外輸出を狙っている韓国高速鉄道(KTX)で、今度は停車駅を見過ごした後、逆走行で戻ろうとした“トンデモ事故”が発生し、世論を驚かせている。 これまでは故障や脱線など車体事故が多かったが、今回は運転ミス。相次ぐ不祥事に「輸出話などまだまだ」と世論は冷ややかだ。 “事故”があったのは2日夕。ソウル発釜山行き列車が、最初の停車駅だったソウル市内の永登浦駅に止まらず約3キロ走ったところでこれに気付き、約10分間、逆走行し永登浦駅に戻ったという。 原因は運転手の錯覚だった。管制センターは急遽(きゅうきょ)、後発列車の運行調整など安全措置を取り、追加事故は防いだ。しかし、こうした逆走行は前代未聞で、車内放送もないまま乗客は恐怖と不安に震えたという。 また3日夕には、線路に侵入した鹿と衝突して立ち往生し、乗客が他の列車に乗り換える事故もあった。高速鉄道ながら