理念的には三権分立といわれていますが(日本国憲法には明言されてはいない)、実際に司法・立法・行政の持っている力を比べてみるに、圧倒的に行政府が大きな力を握っていることに気づかれるでしょう。司法を直接になうのは裁判所職員や検察であり、国会議員がいくら国民の信任をもとに選出されているとはいえ1000人弱しかいません。それに比べて、行政(国家公務員)に携わる人は圧倒的に多いのです。この行政府を握ることがどれほど大きな権限を得ることになるかを考えますと、大統領制のほうが議院内閣制に比べてはるかに強い権限を持つことになるのです。 歴史的に議院内閣制の模範とされたイギリスにおきましては、王という最高権力者の絶対的権利を如何におさえるかに焦点がありました。主権者たる王と議会がバランスを取って政治を行うことが理想とされました。現在では、行政のトップたる内閣の過剰な権力行使を議会が抑える役目を負っています。