姫路城天守のお膝元に立地する姫路市立動物園。アジアゾウの「姫子」は市民の人気者だ=姫路市本町(撮影・小林良多) 世界文化遺産・国宝姫路城の天守に隣接する姫路市立動物園(兵庫県姫路市本町)の移転協議が、本格的に動きだそうとしている。国の史跡でも特に価値の高い「特別史跡」の中に位置するため、施設の改修などで制約が多く、長年懸案となってきた。移転先の選定が進まず延び延びになっていたが、一帯を動物園のない時代の姿に復元する計画があることから、市は2020年度にも方向性を打ち出す方針。全国でも珍しい「お城の動物園」が岐路に立っている。(小川 晶) 姫路市立動物園は1951年、姫路城天守の南東側に開業した。約3ヘクタールの敷地にゾウの「姫子」など102種(19年4月時点)を飼育し、14~18年度の平均入園者数は約48万人。日本動物園水族館協会の佐藤哲也・生物多様性委員会委員長は「同規模の施設と比べても