【からはちづか】 東播州地方には古刹がいくつかあるが、これらの開基とされるのが法道仙人である。行基・空海・慈覚大師のように全国各地にその開基とされる寺院があるわけではなく、法道仙人の場合はこの東播州のエリアにほぼ限定されていると言ってもいい。 法道仙人は“仙人”と名が付くが、インドの僧とされている。ただ謎の部分が多く、6~7世紀頃朝鮮を経由して来日したとされる(来日の際に牛頭天王が共に来て、姫路の広峯神社に祀られ、さらに京都祇園の八坂神社に祀られるようになったという伝説もある)。そして超人的な術を会得していたと言われる。特に有名なのが、仙人が持っていたとされる鉄鉢であり、この鉢を自由自在に飛ばして米や食料などのお布施を受けていたとされる。それ故に別名を空鉢仙人とも言う。 ある時、朝廷への年貢米を積んだ船が沖合を通りがかった。するといつもの如く法道仙人の空鉢が飛んできた。しかし船主は、朝廷へ