2011年09月23日16:10 カテゴリ本 現人神の創作者たち 日本の官僚制度は明治時代にプロイセンの行政法をまねてつくったものといわれているが、官僚のみなさんと話していると、ドイツ的な伝統より儒教の伝統を強く感じる。これを指摘している人は少なく、私の知るかぎり坂本多加雄と本書の著者、山本七平ぐらいだ。 これは政治改革を考える上で大きな違いだ。日本の政治体制が西洋的な三権分立によるものだと考えると、その原則どおり「政治主導」でやろうということになるが、もともと「現人神」がその権力を官僚に委任していると考えると、むしろ官僚が政治家であり、国会議員はそれにたかる大衆の代表にすぎない。自民党政権は暗黙のうちにこういう儒教的な伝統に従っていたが、それを「前近代的」だと批判した民主党も、野田政権ではすっかり自民党と同じ官僚主導になってしまった。 なぜこのように儒教の影響がいまだに強いのか、という謎
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