ワタシはまず、MOMOちゃんがアルバイトをしていると言うカフェへ向かった。藤村から送られたファックスによれば、淡谷の中心街から少し離れた場所に在るらしい。ワタシは取り敢えず、コインパーキングにバンデン・プラを停め、記載された住所を頼りにカフェを探した。 目当てのカフェ『Cafe Peaberry』は、有名百貨店から徒歩とほ数分の所に在あった。外装は薄いピンク色で統一されていたので、ワタシは少々場違いな感じを覚えつつ木製の扉を引いた。すると、扉の内側に取り付けられたパイプ式のドアチャイムがワタシの頭上で優雅ゆうがな音を奏でた。その直後、店の奥から耳障みみざわりな高温ボイスが飛んで来た。 「いらっしゃいませ〜」 ほんの少しだけ顔を顰しかめながら、ワタシは目だけを動かして店内を観察した。 出入口のすぐ左側にレジが置かれているが、周辺の調度品ちょうどひんは妙にファンシーな物で固められている。中の壁