「ストーカーって、MOMOちゃんのか?」 ワタシが口から主流煙をはみ出させながら訊くと、森崎は自信満々な顔で深く頷いた。 「はい!」 思わぬ所からストーカー被害ひがいの証言が飛び出した訳だが、その情報の出所が気になったワタシは更に質問した。 「オタクそれ、誰から聞いた?」 「勿論もちろん! MOMOちゃん本人からです」 またも自信満々に返されて、ワタシは困惑こんわくを隠せなかった。 「本人からって、何処どこで?」 「え? ああ、バイト先です、MOMOちゃんの」 何と、好きなアイドルのアルバイト先まで御存知とは、筋金すじがね入りにも程がある。ワタシは心の中で感心しつつ、コーヒーを飲んでから質問を続けた。 「あ、そう。そんで、MOMOちゃんのストーカーを捕まえるのと、あの事務所張り込むのとどう言う関係があるんだ? そんなド派手な格好であんな所に突っ立ってたら、下手すりゃオマエがばん、じゃなくて
![「その男、ジョーカー」EPISODE1「卒業」#10|松田悠士郎](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/e57af3fa4fb74df2dd9ff1ef644a43f073a953e5/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F141884801%2Frectangle_large_type_2_d2b897448de19e60ad675f0bd840b2b5.png%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D85%26width%3D1280)