社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の生活保護基準部会は十六日、生活保護の生活費に当たる生活扶助の支給水準(基準額)が低所得者の一般的な生活費を上回り、「逆転」するケースがあったとする検証報告書をまとめた。同時に、同審議会の「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」は自治体の調査権限強化などを盛り込んだ制度見直し案をまとめた。自民党が衆院選の公約に支給水準の原則一割カットを掲げたのを受けて、弱者の切り捨てにつながりかねない抑制圧力が強まった。
【パリ=野村悦芳】かつて中米で栄えたマヤ文明の暦で「新たな時代」になるとされる二十一日、人類が滅亡するといううわさで世界が騒然とした。
全日本空輸の国内線予約で、来年二月搭乗分の事前座席指定が無効になっていたことが二十八日、分かった。予約システムの不具合が原因で、約十万六千人に影響があるとしている。航空券の予約は確保されているが、座席指定情報だけが取り消された。 全日空は二十六日に、ホームページ上に「おわび」を掲示するとともにメールアドレスの分かる人にメールしただけ。これに気付いていない予約客も多いとみられ、不親切な顧客対応に批判も出そうだ。 無効になったのは、二十六日午後六時までに来年二月の国内線航空券を予約し座席指定をした人。二十六日午後六時以降に予約した人の座席指定は正常に受け付けられているという。一月までや三月以降の予約には問題がないとしている。
日本コカ・コーラは19日、電力使用量が少ない夜の間に飲料を冷やし、電力が不足する日中に冷却用の電気を使わない「ピークシフト自動販売機」を、2013年1月から全国で設置を始めると発表した。夏の日中は今の販売機と比べて消費電力を95%削減できる。1年目は2万5000台を置き、20年までに約98万台すべてを取り換える計画だ。 新しい自販機の一台当たりの日中の消費電力は約十七ワット(現在は約三百四十ワット)で、電球一個分より少ない。温かい飲み物も販売する冬は68%の消費電力の削減ができる。 新型の自販機は、昨年の福島第一原発事故後、夏の電力不足に対応するために富士電機と共同開発した。今年夏に猛暑で有名な埼玉県熊谷市や岐阜県多治見市などで試験していた。真空断熱材を使い断熱性を従来より十倍高めたほか、扉の気密性も高めて冷気が逃げないよう改良した。冷却を十六時間停止しても冷たさを保てる。 全国的な節電が
政府の二〇一二年度予算の復興特別会計のうち、高速増殖原型炉「もんじゅ」などを運営する独立行政法人・日本原子力研究開発機構(原子力機構)の核融合エネルギー研究費に四十二億円が計上されていたことが分かった。文部科学省は一三年度予算の復興特別会計でも、四十八億円の研究費を概算要求している。東日本大震災の被災地復興のため、国民に新たな負担を求めた復興予算が復興とは直接関係のない「原子力ムラ」の事業に使われた。(中根政人) 原子力機構に対し、一二年度予算の復興特別会計からは百億円超が支出された。このうち、東京電力福島第一原発事故の収束や除染に関する技術開発費などを除く四十二億円は、日本や欧州連合(EU)、米国、中国など七カ国・地域が核融合エネルギーの実用化を目指して共同で進める国際熱核融合実験炉(ITER)の研究事業に充てられた。ITERは、日本国内では、青森県六ケ所村と茨城県那珂市に研究拠点がある
自民党総裁選(十四日告示、二十六日投開票)へ出馬の意向を固めている石破茂前政調会長(55)と安倍晋三元首相(57)が六日、国会内で開かれた領土問題と安全保障に関する合同勉強会にそろって出席。それぞれ集団的自衛権の行使の必要性を訴えた。タカ派の二人が総裁選で議論を戦わせれば、自民党の右旋回ぶりが鮮明になる。 安倍氏は、自らが首相時代に設置した有識者会議で「米国を狙った弾道ミサイルの迎撃」など四類型に限り集団的自衛権の行使を認める報告書をまとめたことを説明。その上で「日本に飛んでくるミサイルは撃ち落とすが、(米領)グアムへのミサイルは見逃すということはあり得ない。こうした答弁をするだけで日米同盟は傷つく」と訴えた。
原子力委員会が原発推進側を集め昨年十一月に開いた秘密勉強会の場で、電力各社でつくる電気事業連合会(電事連)の幹部が、使用済み核燃料の再処理事業は、原発に使用済み核燃料がたまって稼働できなくなるのを防ぐため、と明言していた。国も電力会社も、再処理はウラン資源を節約し、エネルギー面の安全保障のためだと再三強調してきたが、虚偽の説明だったことになる。 発言者は電事連の原子力部長。内閣府の検証チームが集めた議事資料などによると、昨年十一月二十四日の会合で、原子力委の鈴木達治郎委員長代理が「電力会社としては、コストが高くても再処理する理由があるのか。とりあえずは(使用済み核燃料を)処理できるということがメリットか」と部長に質問した。
北陸電力志賀原発1号機(石川県志賀町)の直下を通る断層が活断層であると指摘されている問題で、経済産業省原子力安全・保安院は十七日、専門家会議を開き、断層の断面図などを再検討した結果、「典型的な活断層の特徴がある」などの意見が相次いだ。保安院が再調査に踏み切る見通しになった。 原発の耐震安全審査指針では、活断層の真上に原発の重要施設を建てることを禁じており、再調査の結果によっては、志賀1号機は「立地不適格」として廃炉を迫られる可能性がある。 志賀原発1号機原子炉建屋の南西角には、「S-1断層」と呼ばれる断層が走る。北陸電力は「浸食の影響などでできた断層で、地震とは関係ない」と従来の考え方を説明したが、三人の専門家が「典型的な活断層だ。あきれてものも言えない」と、地震で動く可能性を指摘した。 一方、再稼働の準備が進む関西電力大飯原発(福井県おおい町)4号機の建屋直近の断層についても、再検討さ
炎天下で開かれた「さようなら原発10万人集会」=16日午後、東京都渋谷区の代々木公園で(河口貞史撮影) 東京電力福島第一原発事故を受け、作家の大江健三郎さんらが呼び掛けた「さようなら原発10万人集会」が十六日、東京都渋谷区の代々木公園で開かれた。三連休の最終日で全国から参加者が集まり、関西電力大飯(おおい)原発3号機に続き、4号機でも再稼働を決めた政府への抗議の声に包まれた。 参加者数は主催者発表で約十七万人で、警視庁関係者によると約七万五千人。主催者によると、反原発を訴える集会としては、昨年九月に東京都新宿区の明治公園で行われた集会を上回り、過去最大規模という。 公園内のサッカー場に設けられたステージには呼び掛け人の著名人らが登壇。音楽家の坂本龍一さんは「電気のために美しい日本、国の未来である子どもの命を危険にさらすべきではない」と訴えた。参加者はサッカー場を埋め尽くしたほか、野外音楽堂
東京電力福島第1原発4号機の使用済み燃料プールの冷却装置が停止した問題で、東電は30日、予備として設置されている別系統の冷却装置も起動できない状況にあると発表した。プールの温度は急上昇していない。東電は原因を調べている。 冷却装置は同日午前6時25分ごろ、システムの異常を知らせる警報が鳴って自動停止した。本来なら予備の装置を使って冷却を再開させるが、何らかの原因で起動できなかった。 30日午後4時現在のプールの温度は35・8度で、1時間当たり約0・26度上昇している。
改正薬事法施行に伴い多くの一般用医薬品(大衆薬)のインターネット販売を原則禁じた厚生労働省令は違法だとして、ネット販売業者2社が販売を続ける権利の確認を求めた訴訟の控訴審で東京高裁は26日、原告敗訴の一審判決を取り消し、販売権を認める逆転判決を言い渡した。 2009年6月の規制開始後、大衆薬のネット販売を認める判決は初めて。購入の利便性向上のために規制撤廃を求める声は強く、判決は政府内で進む見直しの議論にも影響するとみられる。 判決理由で三輪和雄裁判長は「改正法がネット販売を一律禁止したとは認められない。省令は法律の委任なしに国民の権利を制限しており、違法だ」との判断を示した。
(上)警視庁の警察官から職務質問を受けた現場に立つ男性=仙台市で(下)銃刀法違反とされた、男性の十徳ナイフ 東日本大震災の被災地で、がれきの撤去作業をしていた仙台市太白区の男性(47)が、警察官から職務質問(職質)を受け、缶切りやドライバーなどが付いた「十徳ナイフ」を持っていたことから、銃刀法違反容疑で約三時間にわたり任意で取り調べを受けた。男性は「被災地の実情を無視した捜査権の乱用」として十九日、弁護士と連名で警察当局に公開質問書を提出し、説明を求めた。 (大野孝志) 男性と弁護士によると、昨年十月九日午後四時ごろ、同市若林区の畑で、津波で流れ着いたがれきを撤去するボランティアをしていたところ、市内に派遣されていた警視庁の警察官から「そのがれきをどこへ持っていくんだ」と職質を受けた。
【バンコク=杉谷剛】タイの大洪水で二十五日、バンコク中央部を流れるチャオプラヤ川の水位が二・三メートルまで上昇し、場所によっては二・五メートルの堤防を越えて氾濫する恐れが高まっている。 中部アユタヤ県などで大きな被害をもたらした洪水がバンコク中心部に近づいており、首都は厳戒態勢に入った。政府は急きょ二十七日から三十一日までを五連休にし、安全確保を呼びかけている。 チャオプラヤ川の水位上昇により西岸のバンプラー地区では二十五日、川につながる運河が氾濫。付近の道路や住宅街が数十センチ浸水した。チャオプラヤ川は高低差が少ないため流れが遅く水がタイ湾に流れ込むまでに時間がかかる。いったん氾濫すると洪水被害が長期化する恐れがある。
厚生労働省は十一日、社会保障と税の一体改革の一環として、公的年金の支給開始年齢の見直し議論を始めた。同日開かれた社会保障審議会(厚労相の諮問機関)年金部会は、現在実施している段階的な厚生年金の支給開始年齢の引き上げスケジュールの前倒しや、支給開始年齢をさらに六十八~七十歳に上げることについて協議した。経済界や労働界の委員からは慎重意見が相次いだ。 現在、厚生年金の支給開始年齢は六十歳。男性は二〇一三年度から三年おきに一歳ずつ引き上げ、二五年度に六十五歳となる計画。女性は一八年度から上げ、三〇年度に六十五歳となる。これを「二年に一歳ずつ」の引き上げとし、計画完了を四年前倒しする案を軸に検討する。 支給開始年齢のさらなる引き上げについては「雇用されている高齢者からどうつなぐかという議論ができてない中での引き上げはいかがなものか」「高齢者の雇用が増えれば若年者の雇用への悪影響も考えられるので、慎
民主党代表選で小沢一郎前幹事長が出馬表明したことに対し、菅直人首相サイドには二十六日、衝撃が広がった。党内では、二大実力者が全面対決する構図になったことで、勝敗の行方にかかわらず、党分裂含みになるという見方も広がっている。 (政治部・高山晶一) 首相を支える仙谷由人官房長官、野田佳彦財務相、玄葉光一郎公務員改革担当相は同日午前、首相官邸で会談。二〇一一年度予算編成についての協議だが、代表選対応についても意見交換したとみられる。菅グループの荒井聡国家戦略担当相は記者団に「(小沢氏出馬を)聞いてびっくりした」と驚きを隠さない。首相を支持する党幹部は「最悪だ」と不安をぶちまけた。また、若手議員の一人は「徹底的に戦うしかない。選挙対策を加速させる。古い党運営に戻すわけにはいかない」と小沢氏への敵意を隠さなかった。
赤松広隆農相は二十五日午前の衆院農林水産委員会で、宮崎県の口蹄(こうてい)疫問題に関して「結果としてこれだけ広がったことに対しては、申し訳ない気持ちでいっぱいだ」と述べ、初めて公式に謝罪した。これまで「反省するところは全くない」と説明してきたが、家畜の殺処分が三十万頭を超すとみられる未曾有の被害に、発言の軌道修正を迫られた。 農相は「私としては必要だと思うことをやってきた」と重ねて表明する一方、「こういう対応で本当によかったのかは検証する必要がある」と述べ、問題の終息後に政府の対応を検証する方針を表明した。 委員会に先立つ閣議後記者会見で農相は、発生地点から半径十キロ圏内での殺処分を前提としたワクチン接種が、二十四日までに目標の73%終了したと発表。「あと三万頭くらいなので、今日中に基本的には終わる」との見通しを示した。宮崎県によると、二十五日中に九割が終了する見込み。
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