為替というのは、不思議な世界で、金融という感じがしない。金融の発祥は為替取引だから、感じがしないのはこちらがおかしいのだが、金融、いや金融商品といったときにリターンが出るもの、そういう投資対象、という概念にこちらが縛られているから、おかしなことになっているのだ。 しかし、金融の発祥が為替だとすると、為替でもリターンが生まれていたはずである。それは、為替というメカニズムを通じて、決済の手数料を取っていたからである。それは決済サービスであり、投資対象としてではない。しかし、直ちに、資金の足りないところに資金を移動するメカニズムとしても機能し、投資リターンとしての為替取引利益が発生した。ただし、これは、資本をレンタルしたことによるリターンを為替という形で取っていただけのことで、為替自体がリターンを生むわけではない。 そうなのだ。為替はリターンを生まない。だから為替のリターンとはすべてトレーディン