東京特派員を10年務めたBBC記者が書いた「日本は未来だったのに、過去から抜け出せずにいる」と題したコラムが話題を呼んだ。日本がさまざまな問題に直面しながらも、何もせずに衰退していくさまを悲観的に綴ったものだが、この内容に米国の知日派経済コラムニストが噛みついている。 英BBCの東京特派員だったルーパート・ウィングフィールド=ヘイズの「お別れエッセイ」※1が広く話題になっているが、私はそれを読んでとてもがっかりした。ベテランのジャーナリストであるウィングフィールド=ヘイズは、2012年から生活と仕事の拠点としてきた日本の印象を「停滞と硬直」という言葉でまとめ、「この地で10年過ごして、私は日本的なやり方に慣れ、日本が当面変わりそうもないという事実を受け入れるようになった」と心情を吐露している。 だが、日本に住んだ経験をもち、2011年からは毎年1ヵ月ほど滞在して、日本経済について幅広く記事