近年、「文化の盗用」問題が世界的に注目されているのを知っているだろうか? 「文化の盗用」とは、ある文化圏の文化やアイデンティティの要素を、他の文化圏の人が私物化すること。 たとえば、数年前にアメリカのタレントが、自身の下着ブランドに日本の伝統的衣装である「着物」と同じ名前をつけたとき、「文化の盗用ではないか」といった議論が巻き起こった。 白人の著名人がドレッドヘア姿をSNS上にアップすることや、ハロウィンのコスプレでネイティブアメリカンの衣装やチャイナ服など伝統的な衣装を身にまとうことも、文化の盗用に当たるとされている。 それは、「かっこいいから」「かわいいから」を理由とした無邪気な行為のひとつでしかないのかもしれない。しかし、誰かを傷つけている可能性があるとしたら? 日本でも昨今は、人口減少危機の対応として外国人の受け入れを拡大したり、都市部では帰国子女がクラスにひとりはいるという多様な