こうして富野喜幸(現・由悠季)監督の挙動はアニメファンの注目を集めるところとなり、その過程で『海のトリトン』もまた富野監督作品であることが広く知られるに至った。 正義のために戦っているのに民衆の支持が得られず、ふるさとを追われてさまよう主人公たち。多くの犠牲を出しながらようやく敵の親玉に迫ったら、その親玉に「正義は自分たちにあり、お前たちこそ悪である」と云われてしまう衝撃の結末。『無敵超人ザンボット3』で描かれたことの数々は、実は『海のトリトン』で先行して描いていたことも改めて認識された。それはすなわち、『海のトリトン』の素晴らしさの多くが――西崎義展氏の貢献もあるだろうが――富野監督に依ることを示していよう。 一方、西崎義展氏も『宇宙戦艦ヤマト』に続くオリジナルテレビアニメ『宇宙空母ブルーノア』を放ってきた。 『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』の公開に際してプロデューサーみずから表舞