石原慎太郎が東日本大震災に際して「日本人のアイデンティティーは我欲。この津波をうまく利用して我欲を1回洗い落とす必要がある。やっぱり天罰だと思う」と述べたのは記憶に新しいところですが、この発言に対して石原慎太郎に反対しているつもりの人から「我欲にまみれているのはおまえの方だ、天罰を受けるべきはおまえの方だ」的な声が出てきたわけです。両者とも世間が「我欲」にまみれているという認識では一緒ですし、実際のところ石原も石原に反対しているつもりの人も「今までが過剰だったのだ」と節制ムードを歓迎している辺りでは差がなかったりするもので、どうも震災を機に石原と石原に反対しているつもりの人々が同じ方向を向きだしたように私には思われます。 両者に「違い」を見いだすとしたら、誰を指して「我欲」の持ち主と想定しているかが挙げられます。「自分が否定的に見ている相手」という点では同じですが、まぁ石原にとっては被災者