→紀伊國屋書店で購入 「テクノロジーの本質を問う」 この書評欄で取り上げるのは専門分野にあまり近くない書籍のほうがよさそうだと思っていたが、さっそく第二回から、自分の仕事に直近の新刊を紹介することになった。これはもう声を大にして言い立てるしかない、イチ押しの本が現われた。傑出したテクスト「技術への問い」の新訳を収めたハイデガー技術論精選集である。 「ハイデッガーが『というのは、問うことは思索の敬虔さなのだから』という、いまや有名になった文章でこの講演を締めくくったとき、満場の人びとから嵐のような歓呼の声が上った」(244頁)。1953年の講演「技術への問い」が聴衆にいかに熱狂的に支持されたかを、訳者後記はこう印象深く伝えている。ハイデガーというと、山小屋で思索に耽る哲人というイメージを抱く人もいるだろうが、それはほんの一面にすぎない。というよりそのイメージ自体、付加価値然と市場で流通してき
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