東京芸術大学の公開講座Speculaを聴講してきた。池田剛介さんと千葉雅也さんが毎回討議者として参加しつつ、各方面の方々と討論する当企画。今回は「セカイ系という想像力」というテーマで前島賢さんと黒瀬陽平さんがゲスト参加。『社会は存在しない』というセカイ系論集を一応共著で出してもらった身としては、聞きにいかねば、という感じで聞きにいった。 全体の大雑把な感想は省略するが(前島氏の著作『セカイ系とは何か』の要約と、後半のユーモラスかつ戦略的な切り返しの妙技が冴えわたっていた)、池田氏が『社会は存在しない』所収の佐藤心論文に言及し、「崇高」のテーマについて語っていたところは、もっと聞きたいと思った。あの場で絵が出ればよかったと思うのだけれど、セカイ系の特徴として前島氏や前田久氏が特権化する「空」の表象と、池田氏の出されたターナーやフリードリヒの絵は確かに親和性があると思う(こんなの)。そして無限