語り尽くせない暗黒音楽の深み。UKゴスロックと USデスロックは独自のカルチャーを形成 つい最近『ゴシック・カルチャー入門』(Pヴァイン)という本を上梓しました(出版社の付けた帯文では “暗黒美学の全貌” があらわにされている、らしい)。当然ながらゴスロックにもかなりのページを割いていて、幸運なことに比較的好評だったのですが、語りきれなかったバンドが数え切れぬほどあって、個人的には忸怩たる思いでした。よってしばらくこのコラム連載では、その埋め合わせも兼ねて暗黒音楽をディグってこうと思います。 バウハウス、スージー&ザ・バンシーズ、ジョイ・ディヴィジョン、ザ・キュアーが “UKゴスロック四天王” と言ってよいかと思います。このうち JD は過去のコラム『ブラックミュージックとしてのジョイ・ディヴィジョン、ブルー・マンデーを超えて』で、キュアーは『ザ・キュアー「ポルノグラフィー」が放つゴシック