生と死のはざまにラブホテルラブホテルで働き始めた。私にとってのラブホテルはいつでも辛い現実から逃れて好きな人と2人だけの世界に浸れる場所だった。利用する側からもてなす側へとかたちを変えてもラブホテルは“私の逃げ場”であった。 ラブホテルで働き始めたときの私は、毎日の95%を自宅のベッドの上で過ごしていた。朝が来るという現実に耐えられず、感情がなくなり、全てのことに興味関心が持てず、寝られるだけ寝ていたいと思っていた。 そうなってしまったのは、大学院での研究活動にある。 大学院での研究は、誰かにやれと言われてやるわけではない。お金が稼げるからやるわけでもない。全ては自発的である。自分がやりたい、やるべきだと思うからやるのだ。だから、これを研究することはとても面白いこと、または意義があることだと心から信じることが必要になってくる。でも、私にはそれが出来なかった。 世界中の誰もがまだ実現できてい
