CULTURE CITY OF AMORPHOUS 次に狩られるのはあいつだ~激動の令和二年を予測する——連載:菊地成孔「次の東京オリンピックが来てしまう前に」32 2019.12.19 THU 元号が変わり、そしていよいよ2020年を迎える東京。時代の変化の後景にある「都市の記憶」を、音楽家 / 文筆家の菊地成孔が極私的な視点で紐解く好評連載シリーズ第32回! TEXT BY NARUYOSHI KIKUCHI ILLUSTRATION BY YUTARO OGAWA 「来年のことを言うと鬼が笑う。と言うが」と言う出だしを、エッセイストが安心して使えるのはいつまでだろうか? もう令和の世には使えなくなる気がしないでも無い。そもそも「鬼」は、現在すでに固有名詞ではなく、形容詞である。平成の御世には「鬼パねえ」と言う言葉すらあった(筆者はこの言葉が、虫唾が走るほど嫌いだった。あと、もう誰も言