アーティストの音楽遍歴を紐解くことで、音楽を探求することの面白さや、アーティストの新たな魅力を浮き彫りにするこの企画。今回は“地下セクシーアイドルユニット”ベッド・インのパイオツカイデー担当、中尊寺まいに音楽のルーツを語ってもらった。 取材・文 / 高橋拓也 人前でまったく歌えなかった……幼少期の身近な音楽は母の聴く歌謡曲子供の頃は人前に出るのがとにかく苦手で。親に飲み屋さんとか連れて行かれると、子供ってオケカラを歌わされることってあるじゃないですか。ほかの子はできるのに、そういう場でも全然歌えないくらい人前で何かをすることが苦手でしたね。でも今思えば、その時期に聴いていた音楽にはかなり影響を受けていると思います。例えば、親戚たちがスナックで歌っていた歌謡曲たち、母が歌うテレサ・テンさんの「愛人」や、ちあきなおみさんの「喝采」、車で聴いたやしきたかじんさんの「東京」……とか、大人になってか