広島県三原市の市歴史民俗資料館に展示されている約200年前の落雁(らくがん)が、現存する国内最古の和菓子とみられることが分かった。旅人が江戸からの帰りに徳川家ゆかりの寺院へ寄って持ち帰ったもので、市教委は「崩れやすい菓子が、これだけきれいに残っているのは貴重。食べられないが、目で味わい、歴史をかみしめてほしい」としている。 落雁は穀物と砂糖を混ぜて固めた菓子で、展示品は直径6・5センチ、厚さ0・5センチの2個。1個は形を完全にとどめ、もう一方は3つに割れている。徳川家の家紋「三つ葉葵(あおい)」がかたどってある。 1955年に旧市立図書館が所蔵する古文書を整理していた際、町年寄だった西町の川口家の文書群から、幾重もの和紙にくるまれた状態で発見された。同時に見つかった旅日記などから、1818年に川口家の人物が江戸からの帰り、徳川家ゆかりの華陽院(静岡市)から持ち帰り保存されていたことが分かっ