スイスの人類学者であり、「ミラ」として活動するリュドミラ・ブレディキナ(Liudmila Bredikhina)氏が、「バ美肉(=バーチャル美少女受肉)」に関する論文でジュネーブ大学のジェンダー分野の学術賞「プリ・ジャンル」を受賞した。「バ美肉」に関する研究が学術賞を受賞するのは世界初の快挙であり、2022年のバーチャルに関する動きのなかでも特筆すべきもののひとつだった。 今回はそんなミラに、これまで行なってきた研究の内容や、「バ美肉」に興味を持って研究を始めたきっかけ、バーチャルの姿とジェンダー規範に関する話などを聞いた。 Liudmila Bredikhina ーーまずはミラさんの行っている研究の具体的な分野と内容について教えてください。 ミラ:2021年、私はスイスのジュネーブ大学にてアジア研究の修士号を取得しました。最近「プリ・ジャンル」を受賞した論文は、バ美肉と日本の伝統的な演劇