月一回の掲載と言いながら、しばらく滞っていたのは、何かを考えていたのではなく、そういうことが書いてあるとわかっていながら、泥沼であることはわかっているので遠ざけていた、戦時下の陸軍と東宝の映画資料にとうとう手を出して、案の定、深みにはまってしまったからだ。次から次へと調べることが出て来る。まあ、楽しいったらありゃしない。資料の落札で、100万近く久々に使ったし。 資料というのは、戦時下上海で東宝が陸軍の指示で行った文化工作の詳細を、お金の動きまで記録した東宝上層部への報告書を含む戦時下東宝の内部資料だ。それを補完する資料を手に入れて、「本体」を持っている持ち主とセットにして資料の全体像が復元できた。この映画会社が本当に国策工作機関だったのだと生々しく伝わってくる。 工作の内容はえげつないというか、上海に侵攻した陸軍が偽装中国映画を、東宝を介して制作させた記録だ。公開すると、中国映画として製
![第4回:「停滞する今」のことを考えていたのではないが、考えていたことにする7月 - 平成30年論 | ジセダイ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/4bae950d696a1e5d7c8385d181e1c9990e7b3180/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fji-sedai.jp%2Fseries%2Fheisei30%2Fimage%2Fheisei30_ogp.png)