京都出身の4人組インスト・バンド、Nabowaの奏でるサウンドは開放感に満ちていて、どこか人懐っこい。例えば、彼らと共演したこともあるトミー・ゲレロが都会的なクールネスを感じさせるとしたら、Nabowaは日向の縁側を感じさせる和みのグルーヴ、というか。でも、そんな従来のイメージから一歩踏み出したのが2枚目のフル・アルバム『Nabowa』だ。 「今回は初めて録音も自分たちでやったんです。ドラム・セットの横にパソコンやミキサーを置いて、自分でスタート・ボタンを押してドラムを叩いたり。これまではエンジニアに任せていたんですけど、やっぱり録り方で曲の印象が変わったりするし、一から自分たちで責任持ってアルバムを作っていきたいと思ったんです」(川上優)。 その結果、曲によってはダビーなエフェクトが加えられて、ポスト・ロック的な風情がサウンドに奥行きを与えている。さらに今回はこれまでの〈その場のノリ重視