本来であれば、ここまで人材の評価の高い国であるならば、人材を上手に活かしさえすれば、大手先進国で最高水準の生産性と所得水準を実現するのも可能なはずです。にもかかわらず、現在の体たらくに、長年の人口増加が生み出した日本の経営者の無能さや国民の甘えが如実に表れています。 しかしアトキンソン氏は、この現実を別の角度から捉えると、そこに希望が見えてくるとも記している。生産性を向上させるため、最低賃金を引き上げる政策を実施すれば、それに十分耐えられる人材はすでに存在するというのがその理由だ。 言い換えれば、最低賃金を引き上げたとしても、日本人の実力をもってすればなんの問題も生じないという考え方である。 最低賃金を引き上げることの6つのメリット そのように主張するアトキンソン氏が最低賃金の引き上げに期待することは、「強制力」だという。全企業に対して直接的・間接的に影響を与えることができるため、企業部門