<樽爆弾と化学兵器で国民を殺したアサド政権に、すがらざるを得ないシリアの人々の本音> シードラ、ザッラ、フェイデレ。3人の少女が廃墟に座って棒で瓦礫をかき集めていた。「私たちの学校を直しに来たの」一番年長のシードラが顔を上げて聞いた。「戦争は終わったんでしょう?」 ここはシリア北部の都市アレッポ。市南東部のシャイフ・サイード地区にあるシャド・メド小学校は無残な姿をさらしていた。柱は崩れ、天井には大きな穴が開き、コンクリートの塊がそこここに転がる。教室の壁には無数に弾痕が残り、運動場のブランコは壊れたままだが、損害状況の調査すら行われていない。「学校はいつ始まるんだろう」シードラがつぶやいた。 学校の再開を心待ちにしているのは彼女たちだけではない。筆者が校庭に入るとすぐさま親たちが集まり、質問と苦情を浴びせた。 「シリア空軍が学校に樽爆弾を落としたんだ」と、リヤドと名乗る男が訴えた。彼の子供
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