国の制度融資で不正を繰り返した政府系の商工組合中央金庫(商工中金、社長=安達健祐・元経済産業事務次官)が、毎月実施している景況調査で数値を捏造(ねつぞう)したことがわかった。ほぼ全店が関与した不正融資に加え、公的な統計の不正まで発覚し、内部統制の乱れが組織全体に広がっていた可能性が強まっている。 捏造したのは1976年から毎月公表している「中小企業月次景況観測」。約1千社に景況感を聞き取って指数化する統計で、100支店のほぼ全てが調査に携わる。捏造は一部の支店であり、担当者が企業への聞き取りをしなかったのに、架空の売上高などを記入していた。不正をした支店数などは調査中で、統計の訂正は今後検討する。 捏造は不正融資に関する社内調査の過程で発覚。このほか、複数の職員が社内報告を改ざんして営業成績を水増ししたこともわかっており、資料の改ざんや捏造が常態化していた。 商工中金は国の制度融資で、対象