秋の味覚「サンマ」の漁の出足が、大不漁となっている。今秋に日本近海に来遊する量の予測からその恐れは出ていたが、現実になってきた。スーパーや飲食店はサンマの確保に四苦八苦し、店頭の値段も上がって食卓に影響が出ている。 サンマの水揚げ量日本一を誇る北海道・根室の花咲港。秋の漁が8月上旬、小型船を皮切りに解禁、同月16日までに戻ると衝撃が走った。水揚げはほぼゼロ。22日に中型船が実質的に「初水揚げ」をしたが、その量は17トンで、昨年の120トン強を大きく下回った。 26日に大型船の帰港が始まったが、昨年のこの時期の量には及ばない。サンマ漁船の古林勲機関長は、「魚群がなかなかいないうえ、魚体も小さめ。例年になく漁は厳しい」と話す。 毎年恒例の「根室さんま祭り」にも暗雲が漂う。9月21、22日に開き、会場で箱詰めの生サンマを販売して開催費に充てる計画だが、不漁で必要量を確保できるかがわからない。実行