「過ちが繰り返されていませんか」――。広島市出身の看護師、久保賞花(ほのか)さん(22)は叫んだ。視線の先にあったのは平和記念公園(同市中区)の原爆慰霊碑。碑文に込められた願いをかなえるには、黙って祈るだけでは足りないのではないか。「パレスチナ自治区でのジェノサイドを黙認したり支援したり、反対の声をあげない人も多い。強い風が吹いているが、平和を願う火を何度でもともし続けたい」と誓う。 2月4日、久保さんも参加している市民グループ「広島パレスチナともしび連帯共同体」がデモを実施。原爆ドーム前の集会で、久保さんは思いの丈を絞り出すように、時に涙して語った。「私は人の心の中にある優しい、温かい気持ちを信じたいと思って生きてきた。それが今、裏切られているように感じることがある」。パレスチナでは罪のない多くの民が戦いに巻き込まれ、亡くなっている。他人への勝手な期待が自分を傷付けることは…