安倍晋三首相の政権復帰から七年がたった。通算在職日数が歴代最長となる一方で、驕(おご)りや緩みなど長期政権の弊害は、民主主義の基盤を蝕(むしば)みつつある。 年の瀬に現職国会議員らの逮捕に至った「カジノ汚職」が、政権の来し方を象徴しているようでもある。二〇一二年十二月に発足した第二次安倍内閣以降の七年間、日本の民主主義がいい方向に進んだとはとても言えない現状だ。
安倍晋三首相の政権復帰から七年がたった。通算在職日数が歴代最長となる一方で、驕(おご)りや緩みなど長期政権の弊害は、民主主義の基盤を蝕(むしば)みつつある。 年の瀬に現職国会議員らの逮捕に至った「カジノ汚職」が、政権の来し方を象徴しているようでもある。二〇一二年十二月に発足した第二次安倍内閣以降の七年間、日本の民主主義がいい方向に進んだとはとても言えない現状だ。
性暴力被害を訴えたジャーナリストの伊藤詩織さんが民事訴訟で勝訴した。「#MeToo(ミートゥー)」の声が高まる契機にもなった事件だが、ブラックボックスの中はまだ見えない状況だ。 勝訴の報は海外メディアでも大きく取り上げられた。米国のワシントン・ポストは「日本人女性の権利の勝利」と。CNNテレビも、英国のBBC放送なども一斉に報道した。台湾などでも同じだ。伊藤さんの著書「Black Box」は、中国では「黒箱」と題し出版、注目されている。 海外メディアの主張はどれも正当なものだ。例えば日本では性暴力に遭っても警察に相談するケースは少ないとか、刑事罰を科す困難さを挙げて、日本の性犯罪に対する後進性を説いたりした。何より首相と親しい山口敬之(のりゆき)元TBS記者を訴えた裁判だったことに焦点を当てたりした。 内閣府が昨年まとめた調査では、女性の十三人に一人は無理やりに性交をされた経験があった。だ
受験生の気持ちを五文字で表すとしたら「ふざけるな」だろう。大学入学共通テストで記述式問題の見送りが決まった。穴だらけの「改革」をなぜ止められなかったのか。検証と猛省が必要だ。 記述式は国語、数学で導入が予定されていた。見送りを決めた理由として萩生田光一文部科学相は、採点を請け負うベネッセの関連会社による採点者の決定が試験直前になることなどを挙げた。 約一万人が必要となる採点者にはアルバイトも含まれ、採点のばらつきやミスで公平性が担保できない懸念が指摘されてきた。国会答弁などで萩生田文科相は「事業者には質の高い採点者の確保を求めている」などとしていたが、内実はそんな危うい状態だったのかと驚かされる。
臨時国会が閉会した。六十七日間の会期を振り返ると、さまざまな疑惑や疑問は解明されないままだ。国会は行政監視や国政の調査という機能を有するが、その責任を果たしたとはとても言えない。 召集日の十月四日、安倍晋三首相は所信表明演説で「新しい令和の時代にふさわしい、希望にあふれ、誇りある日本を創り上げ、次の世代に引き渡す責任を共に果たしていこう」と呼び掛けた。
生徒に合理性のない規則を強いる「ブラック校則」。全国的に見直しの動きが進む中、飛騨地域の伝統校、斐太高校(高山市三福寺町)では生徒会が中心となって、学校に制服を規定する校則の改正を訴え、これまで認められていなかった黒色タイツの着用を実現させた。 校則では、女子の制服で黒タイツを認めず、冬季にはベージュ系のストッキングかスラックスのみ着用できると定めていた。飛騨地域の県立高校六校で、黒タイツを認めていなかったのは斐太高校だけだった。 防寒のためベージュ系のタイツは認めていたが、生徒からは「分厚いタイツは股引(ももひき)のように見える」と敬遠され、氷点下まで気温が下がる冬でも素足で登校する生徒が多かった。飛騨地域のほとんどの中学校では黒色タイツを認めており、「新たに買うのがもったいない」との意見もあった。
平和憲法のもとでの日本の国際貢献のありようを体現した人だった。アフガニスタンで長年、人道支援に取り組んだ医師中村哲さんが現地で襲撃され死亡した。志半ばの死を深く悼む。 紛争地アフガニスタンでの三十年近くに及ぶ活動の中で、戦争放棄の憲法九条の重みを感じていた人だった。軍事に頼らない日本の戦後復興は現地では好意を持って受け止められていたという。 政府が人道復興支援を名目に、自衛隊を派遣するためのイラク特措法を成立させた後は、活動用車両から日の丸を取り外した。米国を支援したことで、テロの標的になるという判断だった。現地での活動は続けた。「活動できるのは、日本の軍人が戦闘に参加しないから。九条はまだ辛うじて力を放ち、自分を守ってくれている」。二〇一三年、本紙の取材にそう語っている。
「桜を見る会」を巡る問題は、安倍晋三首相が公私混同甚だしく支持者を多数招いて事実上、後援会活動の場としていたことだ。まずは首相が国民に謝罪し、疑惑の解明に進んで協力すべきだ。 公職選挙法違反の疑いが指摘された経済産業相、法相を、国会で説明させる直前に「更迭」する、文部科学相の暴言で大学入学共通テストの英語民間試験への批判が高まるや、突然見送りを決める。
安倍晋三首相が、自ら主催する「桜を見る会」に、後援会関係者らを多数招いていた。公金を使った便宜供与なら、違法性を問われかねない。あいまいな説明やごまかしは許されない。 毎年四月、東京・新宿御苑で行われる桜を見る会は、各界で功績のある人や著名人を首相が慰労する趣旨で開催され、無料で酒や食事、土産物が振る舞われる。
豚(とん)コレラを予防する豚へのワクチン接種を巡り、県は二十八日までの四日間で県内の約一万八千五百頭に接種したと明らかにした。大村秀章知事は二十九日の定例会見で、優先して始めた野生イノシシの感染地域に近い山間部での接種をほぼ終えたとして「引き続き、大産地である田原や知多で順次やっていく」と述べた。 県内では養豚場など二百七施設の約二十四万頭を対象に、二十五日から接種が始まっている。感染リスクの高い山間地域から順次実施する計画で、県は山間地にある四十施設のうち三十九施設(計一万七千四百四十二頭)で接種を終えた。豚コレラ感染に伴う殺処分を経て経営を再開した田原市の七施設でも、計千九十三頭に接種した。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く