●特別寄稿/混合診療で「医療詐欺社会」となるか?● 福島 雅典 京都大学医学部附属病院探索医療センター探索医療検証部部長・ 京都大学医学部附属病院教授 小泉首相が指示、宮内義彦オリックスCEOが議長を務める「規制改革・民間開放推進会議(以下、規制改革会議)」が主張した「混合診療の解禁」は、これまでにあった例外枠の拡大で決着し、全面的な解禁はとりあえず見送られた。しかし、国内未承認薬の一部に保険診療と自由診療の併用を認めるかどうかについて、今年夏までに結論を出すことが決まるなど、“実質的な解禁”ヘとレールが敷かれた。しかも、宮内議長はこの結果に「我々が主張する混合診療ではない」と不満を隠さず、05年度も引き続きこの問題が継続協議される。 私はがん専門内科医として20年前から、抗がん剤治療の現場で世界標準である薬が、「国内未承認」「保険適応外(特定のがんには承認されているが、他の部位には使