北極上空から見たオゾン層破壊を示すマップ(4月1日現在)。北極周辺で青色が濃くなるほど、破壊レベルが高い。北極点からスカンディナビア半島、ロシアにかけて青色が濃くなっている=米航空宇宙局提供 北極圏でこの冬から春にかけてオゾン層破壊が過去最大規模で進んでいることが、日米など15カ国の国際研究チームの解析で分かった。世界気象機関は北極圏のオゾン全量の40%以上が破壊されたとみている。 解析では、北極圏のオゾン層破壊はスカンディナビア半島やロシア上空など直径3千キロの範囲に及ぶ。フロンガスによる破壊を温室効果ガスが加速させているという。 大規模なオゾン層破壊は、1980年代から主に南極で観測されて、研究チームは90年代から北極圏の30カ所で計測してきた。 北極上空の成層圏では、気温が例年よりも10度以上低い零下80度以下を記録している。オゾン層の破壊は、低い気温で成層圏にできる雲の表面