《新たな小惑星が見つかった。国際天文学連合は「2017PDC」と命名し、軌道計算から、地球に衝突する可能性がある「潜在的に危険」と分類された。NASA(米航空宇宙局)とESA(欧州宇宙機関)は、10年後に衝突の可能性があると推定。直径は100~250メートルとみられる。当初4万分の1だった衝突確率は、各国の観測機関の追跡観測の結果、2カ月あまりで1%近くに上昇した。衝突危険エリアは北太平洋から東京、韓国、中国、ロシア、英国北部にまで広がる。人類はどう対処するのか。》 世界の専門家が集まり、天体の地球衝突を議論する「第5回プラネタリー・ディフェンス・カンファレンス(PDC)」が5月、東京・日本科学未来館で開かれる。冒頭のシナリオはこの会議の演習に使われる。2017年3月6日に小惑星を見つけた、という想定だ。 天体衝突が現実の脅威として共有されたのは、1994年のシューメーカー・レビー第9彗星