集合住宅の屋上に設置されたパラボラアンテナ=テヘラン、北川学撮影 【テヘラン=北川学】中東政変に触発された反政府デモが続くイランで、警察当局が衛星放送アンテナの没収に躍起になっている。外国のニュース番組が見られる衛星放送は国民の重要な情報源。政府に都合の悪い事実が知られることを避ける狙いのようだ。 テヘラン西部の高層マンションに2月22日、予告なしに6人の制服警官が訪れた。管理人の案内で屋上に上がり、各世帯がそれぞれ据え付けた20基ほどのパラボラアンテナを取り外して持ち去った。住民の女性(42)は「次は自宅のチューナーを押収しに来るかもしれない」と身構える。 地元紙によると、警察は2月下旬から、高層住宅が多いテヘラン中、西部で集中的にアンテナの取り締まりを開始した。2月14日の反政府デモがきっかけだったようだ。 政府はこのデモで死亡した学生について、体制側の民兵組織「バシジ」のメン