電力システムの改革が着々と進む中で、すでに新しい制度がいくつか始まっている。その1つが「自己託送制度」である。企業が工場などで自家発電した電力を、電力会社の送配電ネットワークを利用して、離れた場所にある事業所へ供給できる制度だ。2014年4月1日から利用可能になった。 富士フイルムグループは他社に先がけて4月1日から「自己託送制度」の利用を開始した。静岡県の富士宮工場にある自家発電設備から、東京電力管内にある16カ所の工場やオフィスに電力を供給している。送電する電力は合計で1万5000kWに及ぶ。富士宮工場から東京電力の送配電設備へ電力を送ると、それと同じ量の電力が実際の使用量から相殺される仕組みだ。 これまでも電力会社は「託送供給」という名称で同様のサービスを提供してきた。主に新電力が顧客に電力を供給するために利用していて、当然ながら送配電ネットワークの使用料が発生する。電力会社が国の認
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