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「友達も一人もいない」西村賢太さんが芥川賞 現在では珍しい破滅型私小説の書き手。「万に一つも受賞の可能性はない」と思っていた芥川賞を3度目の候補で射止め「本当に大変うれしいです。それだけです」と顔を紅潮させて喜んだ。 受賞作「苦役列車」は、自らの経験をベースにした作品。中学卒業後に家を出て、日雇い仕事で生計を立てる19歳の主人公、貫多の日常を描く。友人も恋人もいない貫多は、単調な労働の日々の中で同世代の専門学校生と知り合う。 だが、彼に恋人がいることへの嫉妬や学歴コンプレックスから、自虐的で暴力的な言動を繰り返してしまう。作品には閉塞感と滑稽味が同居する。 「僕もふだん誰とも話さないし、友達も一人もいない」という。 23歳のとき、大正時代の無名の作家、藤沢清造の作品に出合い、私淑。「僕よりダメな人がいて、それで救われた」。破滅的な生を描く私小説にこだわり続けてきた。 「自分よりダメなやつが
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