アイヌ民族の衣装を着て、裁判所に入る原告の城野口ユリさん(左から2人目)と小川隆吉さん(同3人目)ら=札幌市中央区で2012年9月14日、貝塚太一撮影 北海道大学が研究目的でアイヌ民族の墓地から遺骨を掘り起こし保管しているのは供養の妨害にあたり、憲法で保障された信教の自由の侵害にあたるとして、子孫3人が14日、遺骨の返還と慰謝料900万円の支払いを求める訴訟を札幌地裁に起こした。 提訴したのは、アイヌ集落(コタン)があった北海道浦河町杵臼(きねうす)地区の出身で、札幌市の小川隆吉さん(77)、同町の城野口ユリさん(79)と76歳の女性。 訴状によると、同地区では1931〜55年ごろ、当時の北大医学部教授らが集落の墓地から遺骨を掘り起こした。北大の開示資料によると、同地区では「13体以上」を収集したとの記載があるが、少なくとも先祖78人の遺骨が北大に保管されていると主張。遺骨は遺族の承諾