しかし,連邦最高裁はその判決の中で,なぜ国家の中立性が必要とされるのか,なぜ憲法は国家のみを制限すべきであるのかという問題について,国家の側面からは十分な説明をしない。この問題については,ステイト・アクション法理を論ずる学説が次のように説明する。 第1の理由は,政府(government)が莫大な権力を持ち,強大な人権侵害をしうる存在だからである。政府による人権侵害と私的権力による人権侵害との間には質的な差異がある。つまり,政府は,立法権,司法権,執行権といった広範かつ極度に強大な制度上の力を持ち21),私的権力に比べてマイノリティの権利やプライバシーのような「非常に多様な憲法的価値を強大にそして潜在的に破壊する」存在である。しかも,政府の莫大な権力が常に人びとに対して適切な形で行使されることなど,どこにも保障されていない。したがって,憲法は,憲法的価値の破壊を避けるために,政府の強大さに
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