■尊い犠牲が後世に遺したもの 来年はレイテ沖海戦から70年。この戦いで初めて神風特別攻撃隊が編成され、以後、沖縄戦から終戦に至るまで、特攻により多くの若者の命が失われました。戦後、特攻は「軍国教育の洗脳によって行われた、無駄な死だった」という論調が主流となりましたが、本書では、台湾出身の著者が、日本人の特攻を海外ではどう捉え、いかなる影響を及ぼしたかを論じています。 そこから見えてくるのは、日本での一般的評価とは大きく異なるものです。仏作家で文化大臣も務めたアンドレ・マルローは「日本は戦争に敗れたが、何ものにもかえがたいものを得た。それは特別攻撃隊である」と評し、ジャーナリストのベルナール・ミローも「特攻隊員たちは、すでに忘れられてしまった人間の偉大さを見せつけてくれた」とまで記しています。特攻基地があったフィリピンでは特攻隊の話に感動した現地の人たちの尽力で1974年に記念碑が建てられた
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