量子力学の奥深くに隠されているもの コペンハーゲン解釈から多世界理論へ 著者:ショーン・キャロル 出版社:青土社 ジャンル:物理学 量子力学の奥深くに隠されているもの コペンハーゲン解釈から多世界理論へ [著]ショーン・キャロル 自然界の物質はすべて素粒子からなっている。これは現代物理学が導き出した重要な結論だ。 一方で、物理学の基礎たる量子力学によれば、微視的世界は波動関数と呼ばれる一種の波の重ね合わせで記述される。そしてこの波動関数は物質の空間分布そのものではなく粒子の存在確率分布を表すもので、観測をした瞬間に確率の波が収縮して粒子的に振る舞うのだという。直感とは相いれないこの意味不明の説明が、標準的教科書にある量子力学のコペンハーゲン解釈だ。そもそも「解釈」という単語からして何やら怪しい。しかし、あえてそこに深入りしない限り、量子力学はあらゆる実験と無矛盾な優れた理論なのだ。 著名な