公明党の山口那津男代表は今回、安全保障政策に関する主張の論拠をまた一つ失った-。 インドネシアとブルネイを訪問し、東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳らとの会談を重ねた安倍晋三首相に同行取材し、そう実感している。 「首相としては、集団的自衛権の見直しを含む自らの安保政策『積極的平和主義』に、各国から理解が得られたのが大きい。否定的反応は全くなかった」 同行筋はこう指摘する。むしろ首相の説明に対し、「日本はもっと積極的に役割を果たしてほしい」と求める声もあったという。 同行筋は、秋の臨時国会での野党による安倍政権の安保政策に関する追及を念頭に語ったようだ。 ただ、筆者はこれを聞きながら9月26日の山口氏の記者会見の言葉を連想していた。 ◆集団的自衛権で溝 山口氏は集団的自衛権の見直しについて、「断固反対」と述べた7月段階よりトーンを弱めつつも、こう強調していたからである。 「