京都市勧業館みやこめっせ(左京区)で10年12月〜11年1月に開かれた「人体の不思議展」によって平穏な生活が損なわれ、精神的苦痛を受けたとして、近くに住む京都工芸繊維大名誉教授が同展実行委員会に慰謝料を求めた訴訟で京都地裁(佐藤明裁判長)は16日、原告の訴えを棄却した。 判決などによると名誉教授は「標本は遺体を特殊加工しており、死体解剖保存法で求められている京都市長の許可を得ない違法な展示」と主張していた。これに対して判決は「展示されたのが遺体だとしても展示による嫌悪感や不快感は主観的な感情に過ぎない」と判断。さらに、死体解剖保存法についても「個人が死者や死体に対して持つ心情を保護するものではない」として退けた。【林哲平】 2月17日朝刊 【関連記事】 <人体の不思議展、騒動を振り返る>府警が死体保存許可違反容疑での告発を受理(2011年3月) <人体の不思議展>死体解剖保存法問