III章 軌道エレベーターによる放射性廃棄物の処分 ここまで、軌道エレベーターの原理と機能、放射性廃棄物処分の現状などについてみてきた。本章では両者を結び付けて、軌道エレベーターを建造し、これを使って高レベル放射性廃棄物を投棄するシミュレーションを、可能な限り現実に存在するデータや既存の論文等で示されている試算等にもとづいて行う。そしてこの方法により、どのくらいの期間や予算で高レベル放射性廃棄物を全廃できるかを予測する。 1. 軌道エレベーターの建造 既存の軌道エレベーターの先行研究の中で、ブラッドリー・C.エドワーズと他の研究者による著作は情報として比較的新しく、具体的に建造手順を説明している。本稿ではエドワーズらの著作で紹介されている軌道エレベーターを基本形とし、これに若干の応用を加えて建造プランを進める。 エドワーズの著書では様々な可能性を検討した上で、建造すべき軌道エレベーターの形