約35億年前の火星は、北半球を中心として地表の3分の1が海だった可能性があると、米コロラド大の研究チームが16日までに英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス電子版に発表した。 米探査機「マーズ・グローバル・サーベイヤー」が火星を周回しながらレーザー高度計で観測した地形データを詳細に分析した成果。地球の河口近くに見られる三角州のような地形が多数あった。 高い所には、河川によって形成された峡谷のような地形もあり、雨が降って海に流れ込み、水蒸気になって雨雲が形成される循環があったかもしれないという。 火星は約46億年前、地球などと同時期に誕生したと考えられるが、現在は海はない。直径は地球の半分で、大気は薄く、大半が二酸化炭素。近年の探査では、水の作用で形成されたとみられる鉱物も見つかっており、生命が存在したとの見方もある。 【関連ニュース】 ・ 〔写真特集〕コズミックフォト・宇宙の写真