ガロア 天才数学者の生涯 [著]加藤文元[評者]青木るえか[掲載]週刊朝日2011年2月25日号著者:加藤 文元 出版社:中央公論新社 価格:¥ 882 ■BL的妄想をかきたててくれる なんか有名ですよね、『ガロア』。 数学の天才で若くして決闘で死んだ、という話はやたら知られている。顔はよくわからないが、悪くなさそう。ボーイズラブ小説の登場人物みたいでドキドキさせられる。しかしBL小説の登場人物の職業や家柄がやたら凝ってるのに読んでもまったく実態がわからない(20代で巨大コンツェルンCEOなのに、美少年と恋愛というような)のと同様、ガロアの数学上の業績もまったくわからない。いや、知ろうとしないこっちが悪いんだが、BL小説的なカラッポの印象が強いのだ、ガロア。 なのでこの本を見つけた時は「これを待っていた! 遅すぎた発刊だ!」と喜んだ。期待に違わず、最初のほうは「巻を措く能わず」で、という