次に登場するのは,中堅ソフトハウスの役員をしている沢田健一さん(仮名)。あるプロジェクトに沢田さんのソフトハウスは下請けで参加し,5人のエンジニアをプログラマとして送り込んでいた。 それっきり何の回答も得られない プログラマの役割は,仕様書通りにプログラムを作成することである。だが5人は,渡された仕様書を読んで不安を抱いた。既存システムからデータを取り込んで処理するプログラムだが,取り込まれるデータは,必要な項目がそろっていることを前提としていたからだ。 そこで5人は,元請けのプロジェクト・マネージャに確認する。「既存システムから渡されるデータは,必要な項目がそろっているのでしょうか?もしそうでないなら,この仕様では不十分です。データ・チェック機能がありません。この仕様のままプログラムを作成した場合,項目の抜けたデータが渡されると動作を保証できません」。そのときプロジェクト・マネージャは「