【モスクワ=寺口亮一】ロシアの国営第1チャンネルは1日、2006年にロンドンで毒殺された露連邦保安局(FSB)元中佐アレクサンドル・リトビネンコ氏の父ワリテル氏(73)が、元中佐が英国のスパイだったことを認め、暗殺に関与したとして露政府を批判したことを謝罪するインタビューを放映した。 ワリテル氏は移住先のイタリアで、元中佐を「裏切り者の息子」と呼び、「祖国よ、許してほしい」と露政府に帰国支援を求めた。 英スパイ説を否定していたワリテル氏が態度を一転させたのは、「元中佐は英国のために働いていた」と元中佐の妻が告白したためだという。 元中佐暗殺を巡っては、英当局がロシア人ビジネスマン、アンドレイ・ルゴボイ氏(現下院議員)を容疑者と断定したが、ロシアは憲法規定を理由に身柄引き渡しに応じていない。