小腸守る免疫 仕組みを解明…阪大グループ 病原菌の侵入阻止 小腸から組織内に侵入しようとする細菌を免疫系が見つけて攻撃する仕組みを、大阪大の審良(あきら)静男教授らのグループがマウスの実験で突き止めた。免疫細胞を活性化できれば、病原菌への抵抗力を高める“飲むワクチン”の開発も考えられるという。10日の米科学誌ネイチャー・イムノロジー電子版に発表した。 腸内には様々な常在菌や病原菌がいる。小腸は食物を分解して栄養分を腸壁の粘膜から吸収しており、何を手がかりに粘膜から入り込む病原菌を見分けるのかは謎だった。 審良教授らは、細菌が持つべん毛のたんぱく質をとらえるセンサー「TLR5」に着目。マウスで調べたところ、小腸の組織内にある免疫細胞の一種「樹状細胞」で働いており、遺伝子操作でこのセンサーを働かなくすると、免疫反応が起きなくなった。 病原菌は小腸の上皮を突き破る際にべん毛を使っており、審良教