様々な分野で「安全」や「安心」が語られることが多くなっています。それは、わたしたちがいろいろなモノやコトを「危ない」と感じているということでしょう。自由、メディア、少子化、科学・・・・さまざまな「危ない」について、各界気鋭の研究者にご寄稿いただきます。 河合幹雄 かわい・みきお − 1960年奈良県生まれ。京都大学理学部卒業。同大学文学部で社会学を学んだ後、同大学院法学研究科博士課程修了。桐蔭横浜大学助教授等を経て、現在は同大学法学部教授。専門は法社会学。 著書に『安全神話崩壊のパラドックス』、共著に『体制改革としての司法改革』『たばこ訴訟の社会学』、訳書に『司法が活躍する民主主義』ほか 日本は危険な社会になった、安全神話は崩れたということが言われている。アンケート調査によると日本人の9割が日本の治安は悪化していると信じているというものさえある。また、マスコミ報道でも、治安の悪化は、し